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2008年6月のアーカイブ

ゲーム端末のネットワーク戦略が本格化

「ノン・ゲーム」と「ネットワーク」が重要な鍵になる,経営方針説明会でSCEの平井氏 – 産業動向オブザーバ – Tech-On!
「ノン・ゲーム」と「ネットワーク」という指針を、このタイミングで出してきましたか。
新たな市場を創出したWiiに対して、PS3は無駄に高スペックなことやグラフィック重視がターゲットを狭め、マーケティングにおける失敗を揶揄されてきました。しかし、この高スペックも明らかに動画配信等を見据えた戦略であったことは明白です。正に満を持しての発表でしょう。
以前よりWiiでのSTBとしての可能性を論じてきましたが、端末自体のスペックを考えるとPS3の方が動画配信には向いています。映像コンテンツを自前で所有し、更に最近好調なPSPとの連携を含めた展開等、新たな市場創出を予感させます。
一方、Wiiの方では、こんなニュースが発表されています。
Wii向け電子コミック 配信事業にサン電子が本格参入:ニュース – CNET Japan
電子ブックを視聴できるソフトをWiiウェアでダウンロード販売するとのこと。
テレビでマンガを読むかといったら、私は読まないと思いますが、他メディアのコンテンツがネットを使ってWii上に展開されるのは事例として面白いと思います。
ソフトウェアを購入したら漫画が見放題というわけでもないと思いますので毎月ある程度課金をしていくサブスクリプションモデルか、コンテンツごとのPay Per Viewになるんでしょうか?
その場合、課金方式はWiiショッピングチャンネル上で行われるのか?、あるいはソフトウェア上にクレジット課金を行うのか?、非常に興味深い。恐らく、i-modeを参考にした公式サイトモデルに近いのではないでしょうか?
Wiiは任天堂というよりはサードパーティが積極的に動いている感じですね。どこまでサードパーティに自由度を与えるかで展開が大きく変わってくると思います。
これらの動きを見ていると、やはり今年はネットとテレビの関係が大きく変わる年になるのは間違いなさそうです。

POPのデジタルサイネージ化は新たな広告ビジネスになるか?

Sony Japan|プレスリリース | デジタルサイネージによる広告配信サービス 開始
Sony Japan|デジタルサイネージ
ちょっと古いニュースになってしまいますが、ソニーがデジタルサイネージを事業化しています。
プレスリリースにあるデモムービーを見ると、店内にディスプレイを設置して、そこを媒体化するサービスのようです。
こうした事業はアメリカの方が先行しており、IT潮流の湯川さんがプレミア・リテール・ネットワークという会社について紹介しています。
湯川鶴章のIT潮流 powered by ココログ: 「小売店舗はテレビを超える広告媒体に」-デジタルサイネージ②
恐らく、ソニーの事業はプレミア・リテール・ネットワークと同様、媒体化したディスプレイの広告費を量販店とシェアするモデルと思われます。デジタルサイネージについて、事業を考えているのは、今回のソニーが初めてというわけではありません。家電大手はほとんどが手をつけている分野といっても過言ではないでしょう。下記のサイトを見ると家電のみならず、凸版印刷やJR東日本企画などの会社も名を連ねています。
コンテンツマルチユースのためのデジタルサイネージ事業性検討WG活動報告
参画している会社の取り組みを見ているとJR東日本企画以外はディスプレイやSTBといったハードデバイスの販売を目的にしたものがほとんどで、USのような店内ディスプレイの媒体化に取り組むような事業はあまり見当たりません。ソニーの今回の取り組みはデバイスの販売もさることながら、店舗独自のコンテンツ配信と広告配信サービスを分けて提供しています。この辺りは注目に値します。
しかしながらこの事業におけるハードルは決して低いものではありません。
今まで国内で店内ディスプレイを実施した例はなかったわけではありません。大画面のディスプレイはマツモトキヨシのデジポップTVをはじめ、すかいらーくクループ、マクドナルドなどで展開されていましたが、いずれも撤退、縮小といった状況です。CS放送による運営コストが高額であったり等の要因もあったようですが、一番大きな要因は顧客の購買に至るまでの導線をあまり考慮せずに、大画面のディスプレイを無造作に設置したところにあると思います。
ソニーのプレスリリースを見ると売り場に近いところに訴求できるよう、適切な大きさのディスプレイを複数表示させるようにしています。過去にあった店内にどーんと大画面を用意してメディア展開というよりはPOP(Point of purchase)に近い展開です。ディスプレイの価格が安価になったことが大きいようですね。
導線の部分はディスプレイの物量で改善されているものの、“ミルとくチャンネル”という画一的なチャンネルを全てのディスプレイで配信するのはどうかと思います。販促効果を最大限に発揮するには売り場と広告コンテンツのマッチングが不可欠です。独自にチャンネルを展開するマネージドサービスが望ましいのではないでしょうか?
WikipediaのPOP項目にもあるようにPOP自体の有効性は疑うべくもありません。ここに売り場や顧客の情報をマッチングさせること、更にコンテンツのリッチ化やスケジュール配信といった概念を導入することができたら大きな成果が望めるでしょう。事業としての生産性を考えると、どうしても広告ビジネスを前途とした従来のメディア展開になってしまうのでしょうが。
デジタルサイネージのような事業は広告を集めることやマッチングの仕組み等、ネット業界に非常に向いていると思いますが、あまりこれを謳っている企業って少ないですよね。事業案を考えてみようかな。

リクルートの売上1兆円超え

NIKKEI NET(日経ネット):リクルート、前期売上高1兆円突破
リクルートの売上が1兆円を超えたとのこと。
半分はスタッフサービス買収による人材派遣業の売り上げ増が寄与していますが、広告業以外の派生事業で売上をたてることができるバイタリティがリクルートの強さなのではないでしょうか?
そもそも、リクルートの売り上げというのは広告費の統計から、ずっと外されてきました。求人情報や住宅情報をまとめたリクルートの媒体は、あくまで“情報”に過ぎず、広告としてみなされていなかった感があります。
ですが今年の電通が発表した「日本の広告費」ではリクルートがほぼ市場を席巻しているフリーペーパーやその他のSP(販促)をカテゴリーとして追加しています。これにより6兆円弱であった日本の広告費が7兆円のボリュームとなっています。
こうした集計方針の変化の背景にあるのは、インターネットの台頭により広告と販促の領域が消えつつあることにあるのでしょう。Googleがやっていることは広告と呼べないといった声も聞かれますが、Googleが情報を整理することで、既存の広告費から売上を奪っていることは否めません。
そしてGoogle以前に情報を整理することで、既存広告費から売上を奪っていた先駆けがリクルートです。その売上は随分前から5000億円以上に達しており、とても無視できる規模ではありませんでしたが、結果的に無視されていましたね。
そうした背景を踏まえてか、上記の日経に記事を読むと以下のような表現が。

終利益は法人税負担などが増えたことにより、846億3300万円と前の期に比べて8.1%の減益。売り上げ規模は広告業界2位の博報堂DYホールディングス(1兆1187億円)に匹敵。売上高営業利益率は16.5%と、同1位の電通(2.7%)の6倍に達する。

売上の全てが広告ではないものの、規模としては広告業界大手として扱わざるを得ないところでしょう。ネット時代で広告業界の先行きを悲観する声がよく聞かれますが、リクルートの最近の動きを見ていると次の時代に最も適応しているように思います。

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