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仕事のアーカイブ

初心忘るべからず

  • 投稿者:
  • 2008年2月12日 7:54 PM
  • 仕事
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今から半年程前のある日。突然、ブログのメールフォームから以下のようなメールが届きました。

こんにちは。
XX高等学校に通っています○○と○○と申します。
わたしたちはこの夏休みに職業調べをしています。
現在?クリエーティブ関係の仕事について調べています。
そこで?お返事は???で結構ですので???????したいのですが?よろしいでしょうか?
忙しいところ申し訳ありません。
返事まってます。

このブログのメールフォームから普段はめったにメールが着ません。スパムとは思いませんでしたが「???????」部分が文字化けしている為、先方が何を目的としているのかわかりませんでした。とりあえず、下記のように返信しておきました。

○○様
○○様
ご連絡ありがとうございます。
猪又と申します。
>そこで?お返事は???で結構ですので???????したいのですが?よろしいでしょうか?
いただいたメールですが上記のように文字化けしていて肝心の内容が
分りません。メールでのアンケートかインタビューとお見受けしますが、
いかがでしょうか?
また、返答した内容は課題として学校に提出するのか?
WEBや紙面で公開する予定はあるのか?を事前確認させてもらえないでしょうか?
基本的には喜んで返答させていただきます。
よろしくお願いします。

すると早速、翌日に返信が届いていました。

おはようございます。
お返事ありがとうございます。
「お返事はメールで結構ですのでインタビューさせてもらってもよろしいでしょうか」という内容を送りました。
返答した内容は課題として学校に提出させていただきます。
そして、わたしたちがパワーポイントでまとめ、発表を行うかたちとなります。
WEBや紙面で公開する予定はありません。

前回のメールで「基本的には喜んで返答する」と答えていたものの、あまり誇れる経歴でもないので一瞬躊躇しました。クリエイティブ関係のブログなら、私のブログよりもアクセスを集めている立派なサイトがあるし、彼らにとってもそちらの方にインタビューした方が有意義なのではないか?
でも、きっと彼らは、そんなに目立たない私のブログを一生懸命検索して、内容を読んでくれてインタビューをしてみようと決心してくれたと思うのです。これも何かの縁だし、私自身の言葉でしっかり答えておこうと思い直しました。
で、返答した内容が以下です。

○○様
○○様
アンケートに返答いたします。
①現在のお仕事内容、1日のスケジュールを教えてください。
ネットの広告プロモーションに関しての企画、コンテンツ製作
システム開発、サーバーホスティングを行っています。
スケジュールは日によってまちまちなのである一日ということで
お願いします。
9:30 出社 メール、スケジュールチェック
    ニュースサイト、ブログ、新聞での情報収集
10:00 営業戦略会議
12:00 商品開発ミーティング
13:30 顧客と昼食
14:30 移動
15:00 アニメプロダクションと打ち合わせ
17:30 移動
18:00 広告代理店打ち合わせ
20:00 移動
20:30 会社へ戻る。書類処理
21:30 企画書作成
23:00 終業
24:00 帰宅
②今の職業に就こうと決めた時期はいつですか?
20代後半
③なぜこの職業に就こうと思ったのですか?
それ以前はワインメーカーに勤めていましたが完成品を売るより
物を作る仕事がしたいと思っていました。
そんな時にインターネットでの動画配信を業務としている会社が
あることを知り調べてみて衝撃を受けました。元々、インターネットには
大きな可能性をかんじていましたので、この仕事にかけてみようと思い、
縁があって転職をしました。2000年のことです。
④高校を卒業してから今の職業に就くまでの経緯を教えてください。
浪人   1年間
大学入学
大学卒業 4年間
食品メーカー入社 営業、コンビニ弁当の企画開発 4年間
ワインメーカー入社 営業 カルフォルニアワインの販売 2年間
インターネット動画配信会社入社 営業、商品企画 7年間現在在職中
⑤必要な免許、あると有利な資格などはありますか?
新しい業界なので特に必要な資格はないです。
技術者であればFlash製作技術、デザインなどができると優位と思います。
⑥この仕事をしていてよかったと感じること、やりがいを教えてください。
インターネットという新しいメディアが世の中を変えていっていることを間近に見れることです。
私がこの業界に入った7年前はネットで動画を見る人は殆んどいませんでした
がGyaOやYouTubeでいつでも好きなときに好きな動画を見ることができるようになりました。また、TVCMとは違った広告表現をインターネットで行うこともできるようになっています。最近では携帯電話で動画を見ることも徐々に浸透しています。
そういった事象が世の中の仕組みを大きく変えつつあること、そしてそれに自分が関わっていることがこの上ない「やりがい」です。

⑦この職業で、今、課題となっていることを教えてください。

いかに必要とする人に必要な情報をうまく伝えるか?TVCMや街頭広告は見たくなくても目に入ってきます。インターネットの広告は検索した項目にあわせて必要な情報を広告として表示したり、年齢、性別にあわせて動画CMを表示するといったことが可能ですが、完全ではありません。
より精度を上げることと広告主や利用者共に有益となるような手法や技術を試行錯誤しています。
⑧高校生の今、進路を決めるうえで身につけておくべきこと、アドバイスをお願いします。
高校生のときに職業について自分が何かを考えていたかといえば、全く考えていませんでした。こんな私が言うのもおこがましいですが、なるべく社会に触れる機会を増やすことは意識したほうが良いと思います。アルバイトやボランティア等、いろいろなやり方があると思います。大人と話す機会を増やすことで視野や了見が広がり選択肢も増えていくのではないでしょうか?そういった意味ではこのアンケートも非常に素晴らしいことだと思います。
それと勉強は一生懸命しておきましょう。物理や数学などは役に立たないなど言われますが
クリエイティブを志すのであればいろいろな知識は必要になりますし、決して無駄にはなりません。想像力の源になります。もちろん遊びも同様です。いい仕事をする人は趣味も多彩です。
アンケートは以上です。私自身は回り道をしているので皆さんが進路を考える上での参考にはあまりならないかも知れませんがお役立ていただけると幸いです。有意義な高校生活を送ってください。

たまたまメールを検索していたら、このやり取りを見つけてブログに取り上げてみようと思いました。半年経った今の今まで、こうしたやり取りを下こそすら忘れていたのですが、なんと言うか自分の初心や信条が返答に入っていて身につまされる思いを感じました。
これ、彼らに対しての返答でもありますが、半分以上は自分に対してのものです。何かいいものを見つけたような、少し得した気分になりました。

営業の話-2

  • 投稿者:
  • 2007年9月4日 1:53 AM
  • 仕事
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前回の続きです。
勝ち目のない勝負を挑んで一週間。とにかく頑張るしかないと今まで以上に訪問回数を増やして売上を増やそうとしましたが、数字に変化は現れませんでした。見かねたK先輩が声を掛けてくれました。
「お前はどういう戦略を考えているの?」のっけからそんな質問をされても、元々、ほぼ無策で動いていた私にそんな質問をされても答えられるわけがありません。会話を進めるうち、要領を得ない私にすっかりあきれ果てられてしまいました。
「お前の場合、戦略以前の問題だよ。大体、順位がどう算出されるかも知らない奴が戦略立てられるわけがない。そこから勉強しろ」
相談にのってもらうつもりが先輩に突き放されてしまいました。まあ、無理もありません。何も考えずに漫然と仕事をこなしていた酬いです。いつかこんな日が来るかもしれないと心のどこかで思っていましたが、そんな日はずっと先で、それまでには俺も考えるだろと不安に向き合ってこなかったのです。もう何かせずにはおれない焦燥感。こんなプレッシャーを感じたのは初めてでした。
このままでは何も進まない、先輩の言うとおりまずはルールを把握することにしよう。遅まきながら成績の規定資料を引っ張り出して熟読することにしました。読み進めていくうちに成績の順位は売上だけで決定するわけではなく、目標達成率、回収率、新規獲得件数、新規売上等、それぞれが順位と数値に応じてポイント化されており、すべてのポイントを合わせた数字で成績順位が決まることがわかりました。私の場合、ほぼすべての数値がアベレージ。
一方ライバルであるM君の数値を確認してみました。当然のことながら一番重要視されている売上が突出して高く、2ケタ台の順位にのせていました。他の成績上位の人達の数値も同じように売上が高い人が中心ですが見ているうちに面白いことに気がつきました。売上数字が高くなくても上位に位置している人がちらほらと見受けられたのです。中には回収率がずば抜けて高く、上位にランキングされている1年目の新人も居りました。
ああ、なるほど。上位に上がるためには必ずしもすべての分野で上位である必要もないのだな。目から鱗が落ちた思いでした。これは売上金額の高い者に上位者が偏らないよう運営側が配慮した過程でできたルールであることを後になってK先輩に聞くことができました。「あの時は突き放したが、実はお前だけでなくルールを把握していない奴が多い」そう、1000人も営業がいると必ずしも全ての人がそういった仕組みを把握しているわけでもありません。上位者の多くはこうしたルールを良く理解し、効果的に数字を作っていました。
あらためてM君の数字を見てみると売上数字は突出して高いですが、他の数値はそうでもありません。場合によっては私より低い数値もありました。彼は若年ながら大手を任されており、その大手顧客から上がる売上が全国上位の源でした。大手の商談は決まれば大きな売上が長期にわたって約束されます。そこだけ見て私は勝ち目がないと思っていましたが、他の数値から察するに大手への依存度が非常に高い様でした。
私の数値はほぼ全てアベレージでしたので下位項目がありません。伸ばす項目によっては上位に食い込みやすいかも知れない。
更に自分の顧客状況を分析してみることにしました。M君のように抜擢もされていなかった私の顧客は中堅の食品加工場や販売店が中心です。あまり変動もなく2年間平均的な売上推移でした。何かヒントがあるかもしれないと過去の売上を台帳をめくって1社1社確認していきました。当時は経理を担当する人が使うオフコンはありましたが、個人に端末が支給されておらず、データは全て台帳から確認していました。面倒だったので台帳を見ることもなかったのですが、確認してみると数年前に現在取引していない顧客から大きな売上があったり、いつの間にか大きな売上を上げていた商材があることを発見しました。
我ながら、ひどい営業だなと思いつつも今、自分がとるべき戦略がおぼろげながら見えてきました。
一つは伸ばすべき成績項目を絞ること。実力を考えても平均的に成績を伸ばすことは困難です。そして上位に食い込むためにポイントが高く効果的に伸ばせる項目を選択する必要があります。私は新規売上と新規件数に注力することにしました。当時、ほぼ新規は行きつくされた雰囲気があり、実際に新規売上は上位でもそんなに大きな金額ではありませんでした。ここで勝負をかけて上位をマークすれば多いなポイントになります。
そしてもう一つが分散している行動範囲を改めることでした。顧客をABCランクに分けて、それまで一通り同じ頻度で訪問していたところを過去の取引データから商談があがりそうなところに注力することにしたのです。顧客への訪問スケジュールが最適化されることにより、時間が余ることになります。そこを新規訪問に充てることにしました。
この二つの施策は言わば選択と集中です。漫然と仕事をこなすことしかしていなかった私が自分なりに考え、初めて戦略らしきものを実践したのです。
この二つの施策は思いのほか効果がありました。まず今まで取引のなかった企業向け給食を作っている事業体を立て続けに3件開拓しました。いわゆる産業給食といわれる分野は私の担当地域ではほぼ未開拓で、規模にもよりますがメニューに採用されると大きな売上がたちます。私が開拓したところはマイナーコンビニ向けに弁当を卸しており、新規の売上としては非常に大きなものでした。どのように開拓したのかは長くなるので省きますが視点を変えて行動したことにより、今までは思いもよらなかったところから大きな売上を作ることができたのです。
そして顧客のランクを設定したことと過去の取引を精査した結果、逃していた商談を受注し、相対的な売上増になりました。
当初、私のことを歯牙にもかけていなかったM君でしたが2ヶ月目を過ぎたころ急激に売上を伸ばしている私を見て目の色が変わりました。結果的に勝負が決する3ヶ月目、M君は1000人中30番台、そして私はなんと1000人中2位終わり、見事勝負に勝つことができたのでした。
はっきり言って、この結果は運によるところが非常に大きかったと思います。しかし、状況を分析して整理することでこんなにも結果が変わるということが私にとっては大きな衝撃で、この後の営業活動に多大な影響を与えました。マーケティング的な知識を持とうと思ったのもこのころです。
ただ、後に未熟ゆえに少し考えられるようになったことで多少天狗になってしまい、何度か鼻っ柱を折られることになります。このエントリーとは対照的な話なんですが、時には戦略を営業マンの狂気ともいえる意志の力が凌駕することを体験しました。その話は別の機会にでも。

営業の話-1

  • 投稿者:
  • 2007年9月1日 5:14 PM
  • 仕事
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少し前のこと。社内向けに某ネット広告代理店の新事業を立ち上げた営業出身の若手社長二人に仕事に対する姿勢を話してもらう機会がありました。メンバーには非常に刺激になったようで、また、私自身も学ぶところが多くありました。
この手の講演では失敗談と成功談を話してもらうようなアプローチがわりと多いのですが、ご他聞にもれずお二人にも同じようなナビゲーションがありました。聞いていて思ったのが二人とも失敗談より成功談を生き生きと話すこと。失敗談=苦労話という流れで、いかに成功へ至ったかという定石ではなく、ひたすらポジティブに苦労を苦労と思わない姿に非常に好感を覚えました。失敗談からああすればよかったと振返りを聞くこともそれなりに学ぶべきところは多いですが成功談は正に成功するためのポイントが凝縮されています。成功談を無意識に多く話す二人は正に今仕事に乗れているのでしょう。
そういえばこのブログ、自身の失敗談を結構書いているなあ。
というわけで、少ないながらも私のささやかな成功談を書いてみます。
もう10年以上前になりますが、新卒で入社した会社は調味料メーカーで、私は営業として都内の営業所に所属していました。業務用の調味料を食品加工場や量販店に販売することが生業で問屋を使わずに直販をすることが会社の強みでした。当然、直販ということで営業の育成には力を入れており、常に成績を競い合う雰囲気がありました。
そんな中で私は入社2年目で成績は中の上をコンスタントに出す、良くも悪くも平均的な営業でした。その頃の私は仕事に対して特に野心を持つわけでもなく、会社の雰囲気とは対照的に、平均的を上回るそこそこの数字で満足でした。
とはいえ中の上をコンスタントに出すには、それなりの労力はかける必要があります。人より多くの顧客に訪問して多くの商談をすることだけは念頭においていました。言ってみれば「数を打てば当たる戦法」です。「量が質を作る」といわれるように営業スキルが未熟な時分、がむしゃらに数をこなす事は非常に有効です。ただし、量で突破できない壁は必ず存在し、質に至る試行錯誤を行うのがパターンですが、私は行動量だけは多かったので質を伴わずに平均以上をマークすることができていたのでした。量というのは仕事の評価においてわかりやすく、第三者の評価は一様にして「不器用ながら平均以上だし、まあ頑張っているな」でした。
しかしながら、分かる人は分かっていて、会社の雰囲気とは対照的に妙に競争意識を感じさせない態度に気付くことがあったのでしょう。ことあるごとに「お前は覇気がねえ!」と私に絡む先輩がいました。この先輩、以前にも別のエントリーで触れた方です。(このエントリーでの出来事は前の話以前のことです。)
「そうですかねえ?」面倒くさいなと思いながら答えていましたが、同時に「見抜かれているな」と心の中で苦笑いしていました。それでも特に自分の行動をあらためなかったのは深い考えがあるわけではなく、本当に何となくです。最近の若い人の中にも、このときの私のような人を見かけますが、もっと頑張れと言われてもその気になれない気持ちって良くわかります。普通ならそのまま、日常に流されていったのでしょうが、私の場合は少し違いました。
あるとき、その先輩に誘われて他の営業所の人たちと酒を飲む機会がありました。私と先輩Kさん、先方が先輩の同期Sさん、同期のM君という顔ぶれです。
先輩二人は全国でも有名な方で1000人いる営業の中で常に上位に位置するカリスマ的存在でした。そして同期のM君も先輩までは及びませんが、100位前後を常にキープし、また物腰の落ち着いた態度から同期には一目置かれる存在でした。私はこのとき、彼と初対面だったのですが、会って数分の会話で、なるほど一目置かれるわけだと納得させられました。そんな言わば社内のエリート達の集まりにパッとしない私が同席するのは居心地のいいものではないですが酒が入るとそんなことはあまり気にならなくなりました。話してみるとM君も成績を鼻にかけたりはせずに気さくな奴でした。
アルコールがある程度回ってくると先輩二人が「お前なんかに負けねーよ」と営業成績に関して張り合い始めました。この二人、普段も電話で同じような会話を頻繁に行っていて、ことあるごとに張り合っていました。また始まったなと思いながら聞いていたのですが、そのうちに相手方のSさんが「うちのMに敵う2年目なんか全国でもいねえだろ」と言いはじめたのです。
当然、K先輩はそれに対しても張り合います。「いや、Mくらいなら、こいつでも勝てるでしょ」
いや、ちょっとこっちに振らないでよと思いつつ、先輩達がしきりに勝負の場を後輩の私とM君に移そうとしている不自然さを感じ取っていました。こういうふうにのせられるのは少し反発があります。あまり反応しないようにしていたのですが、M君が「まあ、負ける気はしませんね」とさらりと言いました。明らかに眼中にないといった言い回しで、まるで勝負にならないといった態度が癇に障りました。先輩達の意図にのるつもりはなかったのですが、酒が入っていたこともあり思わず「いや、俺もやるときはやるよ」と反論になっていない言葉で応戦してしまい、結果的に私とM君の3ヶ月後の営業成績で勝負することになってしまったのです。ただ勝負するだけでは面白くないということで負けたほうが先輩も含めて坊主になって謝るというペナルティ付き。
翌日に会社に出社して勝負にのってしまったことを激しく後悔しました。自分のことだけならまだしも、負けたら先輩の頭を坊主にしてしまうのは恐れ多く、否応がなしに頑張るしかない状況です。
長くなったので続きは次回。

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