- 2010年4月5日 10:15 AM
- 動画配信
最近のUstreamの盛り上がりはすごいですね。
世界的にはJustin.tvの方がユーザー数やトラフィックが多いのですが、ソフトバンクが出資を表明してから、ここ1ヶ月余りでGoogle Trends上では米国のトラフィックがJsutin.tvを上回っています。
http://bit.ly/9WojxE

米国で支持を伸ばしている理由はよくわかりません。Yahoo!を見出したソフトバンクがUstreamに出資したことを受けて注目が広がったからでしょうか?事情通の方がいたら教えて下さい。
さて、孫さんがTwitter上で5月にはUstreamの日本語化を明言しており、これによって国内でも本格的なビジネス展開が始まることと思われます。ネット上の動画配信でのビジネス化は非常に難しいと言われ続けている昨今、日本国内ではニコニコ動画が黒字に向けて様々な施策を打っていますが、未だ黒字には至りません。なぜ動画配信ビジネスは、こんなにも難しいのか。大きな要因は通常のネットメディアに比べてサーバーコストをはじめとした運営コストが高額であることが上げられます。

上記の図は通常ネットメディアと動画メディアにおける収益構造の概念図です。ユーザーが増えれば設備投資をしていかなければならないのは通常のメディアも同様ですが、それに伴い、広告費等の売上が増加していきます。取り扱うテーマやビジネスモデルによりますが、一定の規模の設備を構築すると設備にかけるコストの増加率は減少していき、やがて損益分岐点をむかえます。その後は拡大に伴い利益も増大していきます。
対して動画メディアはイニシャルのスタートラインから比較的大きなサーバーコストやコンテンツの仕入れコストが発生し、ユーザー数、PV数の増加に伴ない、更に高額の設備投資が必要となります。損益分岐点に至る規模が通常より遥かに高いのです。サイトが賑わえば賑わうほど、コストが増大していき、収益が追いつかないことがこれまでの動画サイトの共通した課題と言えます。高額な運営費を欠けているコンテンツが高く売れるというわけではなく、広告においては膨大なコストに見合うには単価が低く、コンテンツ課金については思うように売れないといった状況でした。国内外の動画サイトの状況を踏まえると、今後の動画専門サイトはある程度の資本規模を伴わなければ参入は厳しいでしょう。
そしてUstreamもご多分には漏れません。前述のとおり、米国ではJsutin.tvがライブ市場においてトップシェアをとっており、ビジネス的にも成功していたわけではありません。ですが、日本においてコアなネットユーザーの支持を徐々に集めていたタイミングで、ソフトバンク出資のニュースですから大きな期待感い抱かずにはいられません。今、経営者の中で圧倒的な支持を集める孫さんが鳴り物入りで発表しただけに尚更でしょう。
ソフトバンク、Ustreamに18億円出資 – ITmedia News
ただ、出資規模からすると当面は安心というわけではありません。マネタイズを急がなければ数年でサイトの運営が立ち行かなくなります。恐らく孫さんからマネタイズの至上命令が国内のUstream担当者に投げられていることでしょう。
まず、日本国内での一般的な知名度は低いため、当初はトラフィックの拡大を目指すことになると思います。そうなるとライブイベントとして目玉となるアーティストのイベント、スポーツ等の中継を仕入れることが早道ですが芸能スポーツ関連のイベント、特にスポーツ中継は複雑な権利構造からコストが発生します。なかにはバーターという話もあるかもしれませんが現状のパワーバランスを考えると少数と思います。また、こういった過去にもあった手法をなぞらえると、上記の高コスト構造から抜け出れないといった状況に陥ります。全くコンテンツの手配をしないというわけにもいかないですが、別の道を模索したいところです。
私はメディアのマネタイズは専門でないので大したアイデアはありませんが、個人的にはライブという時事性の高い特徴を活かすことに可能性を感じます。例えばタイムセール型アフィリエイト広告みたいなものをやってみるのはどうでしょうか?オークションとの連携なども面白いと思います。Yahoo!Japanとは同じグループ内ですしね。この辺はあくまで付け焼刃のアイデアしかありませんが、別に大きな可能性を持っていると思うUstream上の収益化施策があります。
Watershedというライブ配信の有料サービスです。
https://watershed.ustream.tv/
通常、Ustreamは無料でライブ配信を行えますが、回線規模や品質は担保されていません。またライブ配信にはUstreamが掲載する広告を表示しなければなりません。企業が商用で取り扱い場合、これらがハードルになっていましたが、Watershedの登場により、問題が解決されています。機能や価格は下記ブログに詳しく書かれています。
Ustream.tvの有料サービス「Watershed」を試してみた – おぎろぐはてな
ざっと見た感じ、金額的にはストリーミング事業者が用意する回線コストと比較して格段に安いというわけではありません。商用では相場の金額だと思います。しなしながら、カスタマイズの柔軟性やUstreamからのトラフィックを見込めることは魅力です。既に国内事業者がこの機能を使った発表を行っています。
国内初、USTREAM有料配信サービスを4月1日に開始 « eラーニング専門企業 キバンインターナショナル
単純な商用サービスとしてだけでなく、外部事業者をプラグイン提供者として取り込むと良いのではないでしょうか。先述したEC機能やアフィリエイト事業者などとの連携も期待できます。
いろいろ可能性が考えられるWatershedですが、最近の状況を見ていると無料サービスが品質を担保しないとはいえ、映像が落ちるとユーザーからのクレームにつながり、結果的に無料サービスであってもアクセスを捌かなければならないという矛盾が起きています。この辺りも課題となってくると思います。
何にせよ、動画配信市場を盛り上げて行って欲しいですね。
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